WPF アプリケーションの配置 (WPF)
更新 : 2007 年 11 月
ビルドが終了した Windows Presentation Foundation (WPF) アプリケーションは配置する必要があります。Windows および .NET Framework には、次の配置テクノロジがあります。
XCopy による配置。
Microsoft Windows インストーラ.
ClickOnce 配置。
Windows リモート デスクトップ接続 (RDC)。
WPF アプリケーションの配置に使用する配置テクノロジは、アプリケーションの種類によって決まります。WPF には、次の 3 つの種類のアプリケーションがあります。
スタンドアロン アプリケーション。
XAML ブラウザ アプリケーション (XBAP)。
ブラウザでホストされた Extensible Application Markup Language (XAML) ページ。
このトピックでは、配置テクノロジの概要と WPF アプリケーションで必要とされる配置の要件に関連して配置テクノロジがどのように使用されるかについて説明します。
このトピックには次のセクションが含まれています。
- 配置テクノロジ
- WPF アプリケーションの配置
- .NET Framework 3.0 のインストール
- 関連トピック
配置テクノロジ
XCopy による配置
XCopy による配置は、XCopy コマンド ライン プログラムを使用して、ある場所から別の場所へファイルをコピーする配置です。XCopy による配置は、次のような状況に適しています。
アプリケーションは単体で動作が可能であり、更新するためにクライアントを実行する必要がない場合。
アプリケーション ファイルをある場所から別の場所、たとえば、ビルド場所 (ローカル ディスクや UNC ファイル共有など) から公開場所 (Web サイトや UNC ファイル共有など) へ移動する必要がある場合。
シェル統合 ([スタート] メニュー ショートカットやデスクトップ アイコンなど) を必要としないアプリケーションの場合。
XCopy は単純な配置シナリオには適していますが、複雑な配置が必要なシナリオには十分に対応できません。特に、配置を高い信頼性で管理するためにスクリプトを作成、実行、および維持しようとすると、多くの場合に XCopy の使用はオーバーヘッドを招きます。また、XCopy ではバージョン管理、アンインストール、およびロールバックがサポートされません。
XCopy の詳細については、「方法 : XCopy を使用して配置する」を参照してください。
Microsoft Windows インストーラ
Windows インストーラを使用すると、クライアントに簡単に配布して実行できる自己完結型実行プログラムとしてアプリケーションをパッケージ化できます。また、Windows インストーラは、Windows と共にインストールされ、デスクトップ、[スタート] メニュー、および [プログラムの追加と削除] コントロール パネルとの統合を可能にします。
Windows インストーラを使用するとアプリケーションを簡単にインストールまたはアンインストールできますが、インストールされたアプリケーションをバージョン管理の観点から最新の状態に保つ機能は提供されません。
Windows インストーラ の詳細については、「Windows インストーラ配置」を参照してください。
ClickOnce の配置
ClickOnce を使用すると、非 Web アプリケーションを Web スタイル アプリケーションと同じように配置できます。つまり、アプリケーションは、Web サーバーに公開され、Web サーバーから起動されます。ClickOnce は、Windows インストーラを使用してインストールされたアプリケーションが取得するクライアント側の統合を完全にはサポートしませんが、次の機能は備えています。
スタンドアロン アプリケーションの場合に、[スタート] メニューおよび [プログラムの追加と削除] コントロール パネルとの統合。
バージョン管理、ロールバック、およびアンインストール。
アプリケーションを常に配置場所から起動する、オンライン インストール モード。
ClickOnce の詳細については、「ClickOnce の配置」を参照してください。
リモート デスクトップ接続
WPF アプリケーションは、ターミナル サービスを使って実行できます。これを行うには、WPF アプリケーションをサーバーにインストールするときにターミナル サービスもインストールする必要があります。これで、クライアントは リモート デスクトップ接続 (RDC) を使用してサーバーに接続し、WPF アプリケーションをリモートから実行できます。
.gif "メモ") メモ : |
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WPF で特定の設定を行うと、WPF アプリケーションで実行される リモート デスクトップ接続 (RDC) のレンダリングを最適化できます。詳細については、「パフォーマンスの最適化 : その他の推奨事項」を参照してください。 |
WPF アプリケーションの配置
WPF アプリケーションの配置オプションは、アプリケーションの種類によって決まります。配置の観点からは、WPF にはマークアップのみの XAML アプリケーション、XBAP、およびスタンドアロン アプリケーションの 3 つの種類のアプリケーションがあります。
マークアップのみの XAML アプリケーションの配置
通常、マークアップのみの XAML ページは、HTML ページのように Web サーバーに公開され、Internet Explorer を使用して閲覧します。WPF では閲覧に ClickOnce が利用されますが、エンド ユーザーにこのしくみは見えません。また、マークアップのみの XAML ページは、部分信頼セキュリティ サンドボックス内で実行され、インターネット ゾーン アクセス許可セットに定義された制約が適用されます。これにより、HTML ベース Web アプリケーションと同等のセキュリティ サンドボックスが提供されます。
WPF アプリケーションのセキュリティの詳細については、「Windows Presentation Foundation のセキュリティ」を参照してください。
マークアップのみの XAML ページは、XCopy または Windows インストーラを使用してローカル ディスクにインストールできます。ページは、Internet Explorer または Windows エクスプローラを使用して起動できます。
XAML ブラウザ アプリケーションの配置
XBAP は、次の 3 つのファイルを配置する必要がある、コンパイル済みのアプリケーションです。
ApplicationName.exe: 実行可能アセンブリ アプリケーション ファイル。
ApplicationName.xbap: 配置マニフェスト。
ApplicationName.exe.manifest: アプリケーション マニフェスト。
| メモ : |
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配置マニフェストおよびアプリケーション マニフェストの詳細については、「WPF アプリケーション (WPF) のビルド」を参照してください。 |
これらのファイルは、MSBuild を使用して XBAP がビルドされるときに生成されます。マークアップのみの XAML ページと同様に、XBAP は通常 Web サーバーに公開され、Internet Explorer を使用して閲覧されます。
XBAP は、XCopy または Windows インストーラ を使用してクライアントに配置できます。ただし、この方法で XBAP を配置するときに注意を要する点が 2 つあります。
XBAP は、新しいバージョンが公開されても自動で更新されません。
XBAP は、完全に信頼されて実行されます。この動作は、Web アプリケーションの部分信頼セキュリティ モデルと矛盾します。
スタンドアロン アプリケーションの配置
スタンドアロン アプリケーションは ClickOnce または Windows インストーラを使用して配置されます。いずれの場合も、スタンドアロン アプリケーションを実行するにはアプリケーションが完全に信頼されている必要があります。Windows インストーラを使用して配置されたスタンドアロン アプリケーションには、完全な信頼が自動的に与えられます。ClickOnce を使用して配置されたスタンドアロン アプリケーションには、完全な信頼が自動的に与えられません。代わりに、スタンドアロン アプリケーションをインストールする前に、ClickOnce に表示されるセキュリティ警告ダイアログを受け入れる必要があります。受け入れた場合は、スタンドアロン アプリケーションがインストールされ、完全な信頼が与えられます。受け入れない場合、スタンドアロン アプリケーションはインストールされません。
.NET Framework 3.0 のインストール
WPF アプリケーションを実行するには、Microsoft .NET Framework がクライアントにインストールされている必要があります。Internet Explorer 7 では、ブラウザでホストされる WPF アプリケーションを閲覧するときに、クライアントに .NET Framework がインストールされているかどうかが自動で検出されます。インストールされていない場合、Internet Explorer 7 は、インストールを要求するプロンプトを表示します。
.NET Framework がインストールされているかどうかを検出するために、Internet Explorer 7 には、.xaml、.xps、.xbap、および .application の拡張子を持つコンテンツ ファイルのフォールバック Multipurpose Internet Mail Extensions (MIME) ハンドラとして登録されているブートストラッパ アプリケーションが含まれています。これらの種類のファイルのいずれかに移動するときに、.NET Framework がクライアント コンピュータにインストールされていないと、ブートストラッパ アプリケーションは、インストールするかどうかの確認を行います。ユーザーがインストールに同意しない場合、.NET Framework もアプリケーションもインストールされません。
同意した場合は、Internet Explorer 7 で Microsoft バックグラウンド インテリジェント転送サービス (BITS) を使用して .NET Framework がダウンロードされ、インストールされます。.NET Framework が正しくインストールされると、新しいブラウザ ウィンドウで最初に要求されたファイルが起動します。
.NET Framework の自動検出機能は、Internet Explorer 7 が Windows Vista、Microsoft Windows XP Service Pack 2 (SP2)、または Microsoft Windows Server 2003 (SP1) にインストールされているクライアント コンピュータで利用できます。