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Visual Studio 2005 Tools for Office での Outlook アドイン サポートの紹介

John R. Durant
Microsoft Corporation

June 2005
日本語版最終更新日 2005 年 12 月 6 日

適用対象:
    Microsoft Visual Studio 2005 Tool for the Microsoft Office System
    Microsoft Office Outlook 2003

概要 : Visual Studio 2005 Tools for Office Beta 2 用の Microsoft Office Outlook 2003 アドイン サポートには、ソリューションを簡単かつ迅速に開発、デバッグ、および配置するためのツールが用意されています。それには、マネージ アドインを Outlook に結びつけるための DLL も含まれています。 これは、セキュリティが向上したマネージ アドインを作成するためのよりシンプルなフレームワークとして機能します。

メモ この記事はリリース前のドキュメントであり、今後のリリースで変更される可能性があります。Visual Studio 2005 Tools for Office Beta 2 は、Microsoft Visual Studio 2005 Beta 2 に付属しています。Visual Studio 2005 Tools for Office Beta 2 用の Outlook アドイン サポートのベータ版は、Microsoft Visual Studio 2005 Tools for the Microsoft Office System (Beta) (英語) として別途用意されているものをダウンロードすることができます。

目次

はじめに
ホスト アプリケーションへのマネージ アドインのリンク
1 足す 1 は 5
アドインおよびその他の利点の確保
お使いになる前に
まとめ
その他のリソース

はじめに

Microsoft Outlook を使用しながら一日の大半を過ごす人は大勢おり、Microsoft Office Outlook 2003 の使用もますます増えつつあります。 Outlook の大きな特長の 1 つは、その拡張可能性にあります。 ファイルについてメッセージを書いたのに、メッセージを送るときにそのファイルを添付し忘れたことはありませんか。 賢明な開発者が、Outlook の拡張性を使用して、そのような問題を解決するアドインを作成しています。 Outlook のアドインは、1 つか 2 つの目的機能を備えたシンプルなものから、入り組んだプロジェクト管理またはカスタマ リレーションシップ マネージメント (CRM) システムをすべて Outlook アプリケーションのコンテキストに沿って組み込んだものまで、幅広い範囲にわたります。

Outlook アドインにはさまざまな利点がありますが、そのデバッグと配置は面倒な作業であることが多すぎます。 Microsoft Visual Studio 2005 Tool for the Microsoft Office System - Outlook (Beta) (Visual Studio 2005 Tools for Office - Outlook (Beta)) の目的は、以下の図 (図 1) に示されているような状況が起きる頻度が減るように、デバッグ プロセスを合理化することにあります。 この図は、ある 1 つのコンピュータ上で作成した COM アドイン (アンマネージ コードで作成されたもの) を別のコンピュータで実行しようと試みた顧客の発言を示しています。

COM アドインの配置で苦心している顧客からのフィードバック (未編集)

図 1. COM アドインの配置で苦心している顧客からのフィードバック (未編集)


私は、ソリューション開発者兼プロフェッショナル コンサルタントとして、Outlook 用のものも含め多数の COM アドインを作成してきましたが、そのようなアドインをデバッグまたは配置しようとしたときに、困惑することがありました。

マネージ コードを使用してアドインを作成しようとすると、アンマネージ コードを使用する場合より少し厄介なことになることがあります。 図 2 のメッセージは、Outlook 2002 用のアドインの作成を試みた開発者の苦労を表わしています。

Outlook 2002 マネージ アドインでのデバッグ問題に関するフィードバック (未編集)

図 2. Outlook 2002 マネージ アドインでのデバッグ問題に関するフィードバック (未編集)


図 1 と図 2 で開発者がそれぞれの問題を指摘していますが、Outlook 用のアドインも含め、Office 用のマネージ COM アドインが正常に作成される例も多いことを思い起こすことも大切です。 Microsoft Office Marketplace で Outlook を対象としたソリューションを高速検索すれば、100 件を超える結果が見つかります。 これらの結果の多くは、マネージおよびアンマネージの両方のコードのアドインです。 この記事の執筆時点で、Outlook で最もよく使用されているアドインの一部は、Microsoft .NET Framework を使って作成されたものです。 ただし、開発者はさまざまな技法を使用して、確実にアドインが読み込まれ、アンロードされ、あるいは計画どおりに稼動するようにして、そのようなアドインが順調に作動するようにしています。 最もよく使われる技法としては、COM シムを使用してホスト アプリケーションにアドインを統合します。

ホスト アプリケーションへのマネージ アドインのリンク

COM シムを使って、COM ベースのホスト アプリケーション、Outlook、および .NET Framework ベースのカスタマイズをひとつにまとめ結合することができます。 Visual Studio 2005 Tools for Office - Outlook (Beta) のリリース前は、開発者は、シムを使用するかまたは使用しないアドインを作成していました。 シム とは、ホスト アプリケーションとマネージ アドインの間に薄い層を押し込むことを言います。 シムは、マネージ アドインをホスト アプリケーションに接続するためのアンマネージ コンポーネントです。

Andrew Whitechapel 氏が、Microsoft Office System Beta 2 用の新しい Microsoft Visual Studio 2005 Tools (Visual Studio 2005 Tools for Office) について著述した Visual Studio 2005 Tools for Office での Outlook アドイン サポートのアーキテクチャ という記事で記したとおり、どちらの技法 (シンプル シムを使用する技法とシムをまったく使用しない技法) も、明白な不具合を伴っています。 しかし、新規の Outlook アドイン サポートの開発を指示されるという、かつての制限事項の総合的な解説は、この記事で取り扱う範囲を超えています。 気を付けなければならない大切なこと、層はアンマネージ ホスト アプリケーションとマネージ アドインにはさまれているということです (図 3 を参照)。

マネージ アドイン フレームワークの基本アーキテクチャ

図 3. マネージ アドイン フレームワークの基本アーキテクチャ


AddinLoader.dll を使用すれば、開発者がシムを使用して Outlook 用のマネージ アドインを作成するときに直面するある種の複雑さが軽減されます。

1 足す 1 は 5

Visual Studio 2005 Tools for Office - Outlook (Beta) で気付くもう 1 つの単純化策として、アドイン プロジェクトの作成時に実装する新インターフェイスがあります。 これまでは、アドイン用のインターフェイスは IDTExtensibility2 でした。 この旧インターフェイスには、OnConnectionOnAddInsUpdateOnStartupCompleteOnBeginShutdown、および OnDisconnection の、5 つのイベントが用意されています。 新しいアドインフレームワークには、StartupShutdown という、2 つの簡潔かつ便利なイベントが備えられました。

Startup および Shutdown イベントは、新しい IStartup インターフェイスに付属しています。 今後は、始動コードを、それがあるべき場所に置き、シャットダウン コードを、それが明らかにあるべき場所に置けばよいのです。場合によっては混乱を生じる元である 5 つのイベントの中から選択しなくて済みます。 また、この 2 つの新規イベントのほうが、信頼性にも正確さにも優れているので、作成したアドインが思惑どおりに動作することに安心していられます。

アドインおよびその他の利点の確保

Visual Studio 2005 Tools for Office - Outlook (Beta) の顕著な利点の大半は、開発プロセス全体の簡略化にある一方で、別の中核機能はセキュリティの向上にあります。 Microsoft .NET Framework の利点については多くの著作があります。 強い型付け、全面的なオブジェクト指向プログラミング、および例外処理の改善などの .NET Framework の特定の利点は、多数の開発者による Office 用の (最も多くは Outlook 用の) マネージ カスタマイズの作成へとつながりました。

Visual Studio 2005 Tools for Office での Outlook アドインのサポートも、.NET Framework における コード アクセス セキュリティ モデルの諸機能の利点を活かすのに役立ちます。

これで、Microsoft .NET のセキュリティ モデルに準拠した Outlook アドインの作成が可能になりました。 ターゲット コンピュータ上で実行するには FullTrust を認可されている必要のあるアドインを作成して配置することができます。 ホスト アプリケーションでのセキュリティ設定は、アドインが使用可能かどうかを判別する際の判断材料にはなりません。 Visual Studio 2005 Tools for Office のツールに頼らずに、この同じセキュリティ上の利点を活かすマネージ Outlook アドインを作成することはできますが、本リリースの新しいツールによって開発作業はさらにシンプルになります。 この新規ツールを使ってアドインをデバッグすると、開発コンピュータ上でセキュリティ設定が自動的に構成されます。

お使いになる前に

作業を開始するには、Visual Studio 2005 Tools for Office (Visual Studio 2005 に付属しています) をインストールする必要があります。 それ以外に、Outlook アドイン サポートを使用可能にするためのコア ファイルを収めている Microsoft Visual Studio 2005 Tools for the Microsoft Office System - Outlook (Beta) (英語) を別途ダウンロードする必要があります。 ダウンロード ページに書かれているシステム要件と前提条件に従うことをお勧めします。

これらのファイルをインストールすると、Visual Studio プロジェクト テンプレートに新しいテンプレートが追加されたことがユーザー インターフェイスに示されます (図 4)。

Outlook アドイン プロジェクトの作成

図 4. Outlook アドイン プロジェクトの作成


[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスでは、Outlook アドイン テンプレートが、Visual Studio 2005 Tools for Office プロジェクトの他のテンプレートと一緒に右側のペインに表示されます。 このテンプレートは、Microsoft Visual Basic 2005 および Microsoft Visual C# の両方で開発されるプロジェクトに対して適用されます。

最初の Outlook アドイン プロジェクトに着手するには、ダウンロード元の Microsoft Visual Studio 2005 Tools for the Microsoft Office System - Outlook (Beta) (英語) に添付されている「Visual Studio 2005 Tools for the Microsoft Office System - Outlook (Beta)」という表題の白書をお読みください。

アドイン アーキテクチャの詳細は、Visual Studio 2005 Tools for Office での Outlook アドイン サポートのアーキテクチャ を参照してください。 この記事では、新しい Outlook アドイン サポート機能での設計上の決断と内部作業が掘り下げられています。

サンプル プロジェクトおよびサンプル コードを使って作業する場合は、Visual Studio 2005 Tools for Office Sample: Outlook Samples (Beta) (英語) を参照してください。 このダウンロード資料には、Outlook オブジェクト モデルのさまざまな部分にアクセスする 5 つのサンプル プロジェクトが収められています。

Outlook アドインを開発すると、ある決まったコード宣言とルーチンを頻繁に使用することに気づきます。 そのようなコードの入力タスクをかなり簡略化することができます。それには、個々の Outlook 開発タスクをターゲットとする 5 つのカスタム Microsoft IntelliSense コード スニペットを使用します。 IntelliSense コード スニペットをダウンロードするには、Visual Studio 2005 Tools for Office Sample: Outlook Snippets (Beta) (英語) を参照してください。

さらに、これらのサンプルとスニペットを使って実践的な作業を行うには、Visual Studio 2005 Tools for Office Training: Outlook Hands-on Labs (Beta) (英語) をダウンロードしてください。 このダウンロード資料には、Visual C# での開発に関する lab が 6 つと、Visual Basic 2005 での開発に関する lab が 6 つ入っています。 コード例にはステップに分かれた解説が付属していて、アドイン サポートと Outlook オブジェクト モデルについての理解を深めるのに役立ちます。

最後に、エンドツーエンドのソリューション サンプルを探求するには、Creating an Outlook Task Add-in Solution with Visual Studio 2005 Tools for Office (英語) を参照してください。 この記事とそれに付属するコードのダウンロードによって、Microsoft Office Word 2003、拡張パック、および WordProcessingML に Outlook を統合するソリューション サンプルがステップに分けて説明されます。

まとめ

これまで、Outlook をターゲットとするアドイン開発者は、時間のかかる課題に取り組んでいました。 アドインのデバッグと配置には、数多くのステップが必要でした。 新規の Outlook アドイン サポートのおかげで、開発者は、Visual Studio 2005 Tools for Office を使って、作成したアドインをもっと効率よくデバッグ、安全化、および配置できるようになりました。 Outlook アドイン開発者は、今後は設計時間と開発環境のトラブルシューティングに貴重な時間を費やさなくて済みます。

追加資料

Outlook アドイン ツールの詳細は、以下の資料を参照してください。

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