パラメータを使用したレポートの外観の制御

レポートやレポート内のアイテムの外観は、そのプロパティの値を変更することで変更できます。レポートのプロパティの多くは式に基づいており、式にはパラメータへの参照を含めることができるので、ユーザーがレポートの外観を変更する際に使用するパラメータを柔軟に指定できます。たとえば、テキスト ボックスの式に基づくプロパティには、フォントの色、スタイル、装飾、背景色、境界線の色、余白、および表示設定が含まれます。式に基づく各レポート アイテム プロパティが処理されると、レポート プロセッサは、まずパラメータ値を式に代入してからその式を評価します。

式に基づくプロパティのパラメータを作成するもう 1 つの理由は、ユーザーごとにカスタマイズされたレポートを提供することです。レポート定義を 1 つ記述して、パラメータを使用すると、レポートの表示方法をさまざまな対象ユーザーに合わせて変更するための一連のリンク レポートを作成できます。また、ノードを展開した状態と折りたたんだ状態のどちらでレポートを開くかを制御するパラメータを使用してドリルダウン レポートを作成することもできます。ユーザーは、目的に応じてレポートの表示方法を選択できます。

レポートの外観を制御するレポート パラメータを作成するその他の理由を次に示します。

  • データ領域の色分けの値にしきい値を設定するため。たとえば、特定の調整可能なしきい値を下回る通貨値を赤字で表示します。

  • ユーザーがテーブル内で使用されている画像をカスタマイズできるようにするため。

  • ユーザーがデータ領域内での並べ替え順序を制御できるようにするため。詳細については、「レポートのデータの並べ替え」を参照してください。

  • レポート アイテムの表示設定を条件に応じて制御するため。たとえば、一部のレポート アイテムを初期状態で非表示にして独自の概要ビューと詳細ビューをレポートに対して実装し、ユーザーがレポート内のすべてのアイテムを表示できるようにパラメータを指定することができます。

レポート パラメータを作成するには、[レポート パラメータのプロパティ] ダイアログ ボックスを使用します。有効な値の一覧とユーザー プロンプトが表示されます。パラメータに加えた変更は、レポートを実行するまで反映されません。レポートを自動的に実行する場合は、既定値を作成します。

表示設定の制御

レポート アイテムの表示プロパティ HiddenInitialToggleState、および ToggleItem にパラメータを含む式を使用して、レポート内のアイテムの表示と非表示を切り替えることができます。これらのレポート アイテムのプロパティは、該当する [プロパティ] ダイアログ ボックスの [表示] ページか、[プロパティ] ペインにあるデザイン画面上で選択したレポート アイテムの Hidden プロパティで設定します。

たとえば、次の式を使用して、Show という名前のブール型パラメータを基に、テキスト ボックス、列ヘッダー、テーブル行、またはグループ ヘッダーの表示を設定できます。

=Not Parameters!Show.Value

Show パラメータが true の場合、Hidden プロパティの式は実行時に false に評価されるため、レポート アイテムは表示されます。詳細については、「条件に応じたレポート アイテムの非表示」を参照してください。

レポート アイテムを初期設定で非表示にしておく場合の空白の保持規則については、「レポート アイテムのレンダリング」を参照してください。

行と列の表示設定を制御する方法の詳細については、「チュートリアル : レポートへのパラメータの追加」を参照してください。

書式設定の制御

テキスト ボックスのフォントおよびスタイルのプロパティは、1 つのテキスト ボックス内にあるすべてのテキストに適用されます。これらのプロパティの多くは、式を使用して設定できます。たとえば、売上利益を示す売上レポートを作成し、ユーザーがしきい値を指定できるパラメータを定義する場合があります。しきい値を超える値は赤いフォントで表示され、しきい値を下回る値は黒いフォントで表示されるように設定できます。

条件に応じてフォントの色を変更するには、売上利益を示すテキスト ボックスの Color プロパティに、静的な値ではなくしきい値パラメータを参照する式を使用します。この例では、Sales フィールドの合計が格納される Profit という計算フィールドを作成し、Profit フィールドが格納される Threshold というレポート パラメータを追加します。テキスト ボックスの [プロパティ] ペインの Color プロパティに、次の式を入力します。

=IIF(Fields!Profit.Value < Parameters!Threshold.Value, "Red", "Black")

画像の制御

ユーザーがレポート内の画像を選択できるようにするパラメータを指定できます。たとえば、ImageName という名前のパラメータを作成して、有効な画像の名前を指定する使用可能な値のデータセットを提供できます。画像をデザイン画面に追加し、必要に応じて、画像ソースの場所を指定するための画像プロパティを設定します。次に、画像レポート アイテムの Value プロパティに下の式を設定します。

=Parameters!ImageName.Value

ユーザーが @ImageName パラメータの値を選択してレポートを実行すると、画像レポート アイテムに適切な画像が表示されます。

パラメータを使用したグループの制御

データ領域でデータをグループ化する方法をユーザーが制御できるようにパラメータを作成できます。たとえば、テーブル内のデータのグループ化に使用されるフィールドをユーザーが制御できるようにするため、GroupValue という名前のパラメータを作成します。パラメータの有効値には、グループ化の条件となる一連の有効なフィールド名を指定する必要があります。テーブルに行グループを作成し、グループ式に =Fields(Parameters!GroupValue.Value).Value を設定します。レポートが処理されると、グループ式は選択されたフィールドに評価されます。