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Azure に対するアプリケーションの適合性

更新日: 2014年4月

執筆者: Jason Roth
校閲者:Paulette McKay、Ralph Squillace、Sidney Higa、Brian Swan、Larry Franks

アプリケーションをホストするために Microsoft Azure の使用を検討する場合、そのプラットフォームによってアプリケーションやビジネスの要件が適切に満たされるかどうか、という疑問が生じることがあります。Microsoft Azure では、ほとんどのアプリケーションおよびコンピューターをホストできます。ただし、一部のシナリオでは、クラウドで実行することの利点を有効に活用することができます。この記事の以下のセクションでは、十分な情報に基づいて Microsoft Azure への移行の決定を行うことができるように、これらの利点とシナリオについて概説します。

このトピックの目的は、アプリケーション自体、およびそのアプリケーションと Microsoft Azure の機能の関連性について検討するための枠組みを提供することです。多くの場合、追加のリソースへのリンクを示しています。これらのリソースは、アプリケーションの分析やクラウドへの移行方法に関する意思決定に役立ちます。

Microsoft Azure の利点を把握する

ご使用のアプリケーションが Microsoft Azure に適しているかどうかを判断する前に、まず、そのプラットフォームがもたらす主な利点をいくつか把握する必要があります。すべての利点の一覧は、Azure のドキュメント、および Microsoft Azure に関する多数の記事やビデオで確認できます。クラウドの利点に関する検討内容については、ホワイト ペーパー「クラウドの最適化 – コンピューティングとビジネスのニーズに合わせた機能の拡張」を参照してください。

Microsoft Azure でアプリケーションを実行するための主な 3 つのオプションについて理解することも重要です。Microsoft Azure それは、Web サイト、Microsoft Azure クラウド サービス、および Microsoft Azure 仮想マシン の 3 つです。Web サイトとクラウド サービスは、いずれも Platform-as-a-Service (PaaS) サービスを提供します。これは、ハードウェアおよびオペレーティング システムのイメージがすべて Microsoft Azure によって提供されることを意味します。ユーザーはプラットフォームで実行されるアプリケーション コードを用意します。仮想マシンは Infrastructure-as-a-Service (IaaS) サービスを提供します。これは、Microsoft Azure のデータセンター内で実行されるマシンのイメージをユーザーが管理することを意味します。これらの 3 つのオプションにはさまざまな利点があり、どれを選択するかは複数の要因によって決まります。ただし、このような各種のオプションと機能を使用すれば、ほとんどすべてのアプリケーションは Microsoft Azure に適合します。

アプリケーションをクラウドで実行する場合、主な利点をいくつか挙げることができます。プラットフォームの長所が活用されるシナリオを説明する前に、これらのいくつかの利点について概要を示します。

リソースの管理

アプリケーションとサービスをクラウドに展開する場合、Microsoft Azure では、必要な仮想マシン、ネットワーク帯域幅、その他のインフラストラクチャ リソースが用意されます。ハードウェアの更新や予期しないエラーが原因でマシンがダウンした場合、Microsoft Azure によってアプリケーション用に新しい仮想マシンが自動的に配置されます。

使用しているリソースに対してのみ課金されるため、最小限の投資から始めることができます。オンプレミスの展開で一般的な先行投資を負担する必要はありません。この利点は小規模企業には特に有効です。小規模な組織の場合、オンプレミスのシナリオでは、アプリケーションを適切に展開するために必要なデータ センター用のスペース、IT スキル、ハードウェア スキルを確保できないことがあるためです。Microsoft Azure に用意されている自動インフラストラクチャ サービスにより、アプリケーションの展開と管理を行うにあたっての参入障壁は低くなります。

動的スケーリング

動的スケーリングとは、リソースの要件に応じてアプリケーションをスケールアウトおよびスケールバックする機能です。柔軟なスケーリングとも呼ばれます。このしくみについて説明する前に、クラウド サービスを使用する Microsoft Azure アプリケーションの基本的なアーキテクチャを理解しておく必要があります。クラウド サービスでは、連携して実行されるロールを作成して、アプリケーション ロジックを実装します。たとえば、1 つの Web ロールがアプリケーションの ASP.NET フロントエンドをホストする場合があります。1 つ以上のワーカー ロールが、必要なバックグラウンド タスクを実行する場合があります。各ロールは 1 つ以上の仮想マシンによってホストされます。これらは Microsoft Azure データセンターでロール インスタンスと呼ばれています。要求はこれらのインスタンス間で負荷分散されます。ロールの詳細については、ホワイト ペーパー「Azure のプログラミング モデル」を参照してください。

このシナリオでは、リソースの要求が増加した場合、新しいロール インスタンスをプロビジョニングし、負荷の処理に備えることができます。要求が減少したら、これらのインスタンスを削除することができるため、不要なコンピューティング リソースに対して課金されることはありません。また、事前に定義されたルールおよびポリシーに従って、スケールアップまたはスケールダウンを自動的に行うオプションもあります。この点はオンプレミスの展開とは大きく異なります。オンプレミスの展開では、ピーク要求を予測してハードウェアを余分にプロビジョニングする必要があります。プラットフォームが提供するレベルよりも詳細に自動スケーリングを制御する場合は、Microsoft Patterns and Practices チームによって作成された Autoscaling Application Block を使用します。

前のシナリオではクラウド サービスのコンテキストで行われる動的スケーリングについて説明しましたが、Web サイトおよび仮想マシンをスケールアウトすることもできます。アプリケーションでコンピューティング リソースの要求が流動的であったり予測できなかったりしても、Microsoft Azure では、負荷に合わせてリソース使用率を簡単に調整できます。

高可用性と永続性

Microsoft Azure には、アプリケーションの高可用性を実現するプラットフォームが用意されており、Storage サービスや Microsoft Azure SQL データベース を利用して、サーバー データの格納やそれらのデータへのアクセスを安全に行うことができます。

まず、Microsoft Azure ではコンピューティング リソースの高可用性が保証されます。Web サイトの場合は、単一のインスタンスでサービス レベル アグリーメント (SLA) の要件を満たすことができます。クラウド サービスおよび仮想マシンの場合は、ロールまたはマシンのタイプあたり少なくとも 2 つのインスタンスを用意することにより SLA の要件を満たすことができます。仮想マシンでは、これらのインスタンスは交換可能であること、負荷分散されること、同じ可用性グループに属することが必要です。いずれの場合にも、これらの仮想マシンおよびインスタンスをホストする実際のハードウェアは Microsoft Azure によって監視されます。Microsoft Azure は、新しいインスタンスを展開するか、またはアプリケーション コードや処理を稼働中の他のハードウェアに移行することによって、ハードウェアの再起動や障害に迅速に対応することができます。

第二に、Microsoft Azure では、いずれかの Storage サービスを通じて格納されたデータの高可用性と永続性が確保されます。Microsoft Azure Storage サービスでは、少なくとも 3 台のサーバーにすべてのデータがレプリケートされます。既定では、このストレージはセカンダリ Microsoft Azure リージョンにもレプリケートされます。同様に、Azure SQL データベース によりすべてのデータがレプリケートされて、データの可用性と永続性を確実に得られます。

同様の高可用性は Microsoft Azure のその他のサービスによっても確実に得られます。詳細については、「Azure のビジネス継続性に関するテクニカル ガイダンス」を参照してください。

Microsoft Azure の長所を活用できるシナリオ

Microsoft Azure プラットフォームの長所を把握できたら、クラウドに最適なシナリオを確認しましょう。以降のセクションでは、このようなシナリオのいくつかについて説明し、Microsoft Azure が特定のワークロードや目標にどのように最適化できるかを示します。ビデオ「Azure のデザイン パターン」では、以降に示しているシナリオも多数取り上げ、Microsoft Azure Platform の概要をわかりやすく示しています。

Tipヒント
ここではアプリケーションのシナリオに焦点を合わせていますが、個々の Microsoft Azure サービスを使用することもできます。たとえば、BLOB ストレージを使用することでアプリケーションの問題が解決する場合、アプリケーションの残りの部分はクラウドの外部に残しておくことができます。これはハイブリッド アプリケーションと呼ばれ、このトピック内で後で説明します。

可用性が高いサービス

Microsoft Azure は、高可用性サービスをホストする場合に最適です。オンライン ストアを Microsoft Azure に配置するとしましょう。オンライン ストアは収益の発生源であるため、稼働し続けることが重要です。それを実現するために、Microsoft Azure データセンターではサービスの監視とインスタンスの自動管理が実行されます。また、オンライン ストアは顧客の要求に応答可能であり続けることも必要です。これは、Microsoft Azure の柔軟なスケーリング機能によって実現されます。ショッピングのピーク時間帯に、新しいインスタンスをオンラインにして、オンライン ストアの利用率の増加に対応できます。さらに、オンライン ストアでは、注文を紛失したり、注文の処理に失敗したりすることは許されません。Microsoft Azure の Storage と Azure SQL データベース のいずれにも、高可用性と永続性を備えたストレージ オプションが用意されており、注文のライフサイクル全体で注文の詳細と状態を保持できます。最高レベルの可用性を実現するために、同じアプリケーションを複数の Microsoft Azure リージョンに展開できます。Microsoft Azure リージョン全体で一時的な障害が発生しても引き続き使用できるサービスを設計することができます。この設計には、適切な同期アーキテクチャとユーザーをルーティングするための手順が必要です。

断続的なワークロード

Microsoft Azure に最適な別のシナリオはワークロードが断続的な場合です。アプリケーションによっては継続して実行する必要がない場合があります。そのわかりやすい例の 1 つが、数週間または数日間だけ使用可能になるデモまたはユーティリティ アプリケーションです。Microsoft Azure では、各国対応のアプリケーションを簡単に作成、配置、共有できます。ただし、目的が達成されたらアプリケーションを削除できるため、配置した時間に対してのみ課金されます。

note
注: 不要なコンピューティング時間に対して課金されないようにするには、アプリケーションを中断するだけでなく、展開を削除する必要があります。

断続的なワークロード図

また、大規模企業が月末ごとに売上数の複雑なデータ分析を実行するとしましょう。処理負担は大きくなりますが、分析の実行に必要な合計時間は最大でも 2 日です。オンプレミスのシナリオでは、この処理に必要なサーバーは各月の大半で十分に活用されないことになります。Microsoft Azure では、分析アプリケーションがクラウドで実行されている時間に対してのみ課金されることになります。アプリケーションのアーキテクチャが並列処理用に設計されているとします。Microsoft Azure のスケールアウト機能を使用すれば、ワーカー ロール インスタンスまたは仮想マシンを多数作成することができます。これらが連携することで、より複雑な処理をより短時間で完了できます。この例では、コードやスクリプトを使用して、毎月適切なタイミングでアプリケーションが自動的に配置されるようにする必要があります。

予測できない収益増加

いずれの企業にも短期間での持続的な収益増加という目標があります。しかし、収益増加に対応するのは従来のオンプレミス モデルでは非常に困難です。予想増加率が実現されていない場合、十分に活用されないハードウェアやインフラストラクチャの維持にコストを費やすことになります。しかし、収益が予想増加率を上回って短時間で増加した場合、負荷を処理できないことがあり、取引を失ったり、顧客経験の質が低下したりする可能性があります。小規模企業の場合、収益の急激な増加に対して準備や対応を行う十分な初期資本さえないことがあります。

予測できない増加の図

Microsoft Azure はこのような状況への対応に最適です。広告収益を得ている小規模なスポーツ ニュース Web サイトがあるとしましょう。収益額はサイトで生成されるトラフィックの量に直接比例します。この例では、ベンチャー事業の初期資金は限られています。さらに、独自のデータ センターを設置して運用するための資金はありません。Microsoft Azure で実行される Web サイトを設計することにより、ソリューションを ASP.NET アプリケーションとして簡単に展開できます。アプリケーションでは Azure SQL データベース を使用して、画像やビデオのリレーショナル データおよび BLOB ストレージを処理します。この Web サイトへの訪問者数が飛躍的に増加した場合は、フロントエンドの Web ロール インスタンスの数を増やすことができます。Azure SQL データベース のサイズを大きくすることもできます。BLOB ストレージには Microsoft Azure に組み込みのスケーラビリティ機能があります。収益が減少した場合は、不要なインスタンスを削除できます。収益はサイト上のトラフィックの量に比例しているため、Microsoft Azure では、小規模な環境から始めて、急速な収益増加に合わせてスケールアップすることで、リスクを軽減できます。

Microsoft Azure では、どれほど積極的にコンピューティング コストを管理するかを詳細に制御できます。自動スケール機能を使用するか、または Autoscaling Application Block を使用して、自動スケーリングを実装することができます。自動スケーリングでは、カスタム ルールに基づいてインスタンスを作成および削除できます。あらかじめ定義した値に基づいてインスタンス数が変更されるように設定することもできます。たとえば、営業時間内では 4 つのインスタンス、営業時間外では 2 つのインスタンスというように設定できます。また、通常はインスタンス数を一定に保ち、要求の経時増加に合わせて Web ポータルを通じてインスタンス数を手動でのみ増やすこともできます。Microsoft Azure では、収益の状況に合わせて柔軟に適切な意思決定を行うことができます

ワークロードの急増

柔軟なスケーリングが必要な別のシナリオはワークロードが急増する場合です。前に挙げたスポーツ ニュース Web サイトの例を考えましょう。収益は一定に増加していても、サイト上のアクティビティが一時的に急増したり爆発的に増加したりする場合があります。たとえば、別の知名度の高い報道機関でサイトが紹介されるとしましょう。このサイトへの訪問者数が一日で飛躍的に増加する可能性があります。予測しやすいシナリオもあります。大規模なスポーツ イベントやスポーツ大会があると、サイト上のアクティビティは増加します。

ワークロード急増の図

また別の例としては、一日の終わりに日次レポートを処理するサービスがあります。営業時間が終了すると、各事業所から本社で処理されるレポートが送信されます。このプロセスは毎日数時間しかアクティブにならないため、これもやはり柔軟なスケーリングと展開の候補となります。

Microsoft Azure は、負荷の急増に合わせてアプリケーションを一時的にスケールアウトし、イベントが経過した後に再びスケールバックするようなシナリオにも適切に対処できます。

インフラストラクチャのオフロード

前のいくつかの例で示したように、一般的なクラウド シナリオの多くでは Microsoft Azure の柔軟なスケーリングを活用できます。しかし、ワークロード パターンが安定しているアプリケーションでも、Microsoft Azure によりコストを削減できます。独自のデータ センターを管理することは、光熱費や人件費、また、技術、ハードウェア、ソフトウェア ライセンス、および設備の費用を考慮すると、コストがかかりすぎます。コストが個々のアプリケーションにどのように結び付いているかを把握することも困難です。Microsoft Azure では、その目標はコストの削減と透明化です。ホワイト ペーパー「クラウドの最適化 – コンピューティングとビジネスのニーズに合わせた機能の拡張」をお読みになることをお勧めします。このホワイト ペーパーでは、典型的なオンプレミスのホスティング コストについて、また Microsoft Azure によるコストの削減率について、わかりやすく説明しています。

Microsoft Azure 仮想マシンおよび仮想ネットワークは、オンプレミスのサーバーおよびネットワークをクラウドに移行するための最も簡単な方法です。オンプレミス アプリケーションをクラウド サービスまたは Web サイトに移行すると、オンプレミスのデータセンターにかかる負荷も軽減されます。オンプレミスのデータセンターに代わって Microsoft Azure が、アプリケーションを実行するのに必要なコンピューティングおよびストレージ リソースを用意します。

Microsoft Azure には、特定のコストを把握するための料金計算ツールが用意されています。また、Microsoft Azure の採用によって削減される総コストを見積もるための TCO (総所有コスト) 計算ツールも用意されています。この計算ツールやコストに関するその他の情報へのリンクについては、Azure Web サイトを参照してください。

オンプレミスに残しておくアプリケーションおよびデータを識別する

Microsoft Azure には、ほとんどすべてのアプリケーションに適合するサービスおよびオプションが用意されています。これらは、PaaS オプション(クラウド サービスや Web サイトなど) および IaaS (仮想マシンおよび仮想ネットワークを使用) もカバーしています。ただし、クラウドへの移行が必ずしも必要ではないシナリオもあります。

その 1 つは、成長の予定がない小規模のアプリケーションやサービスです。そのようなアプリケーションは、オンプレミスの汎用的なハードウェア上で、クラウドよりも低いコストで実行できる場合があります。これには 2 つの例外があります。Microsoft Azure への移行には、単純なホスティング コストに勝る利点があります。たとえば、サーバー、サーバーの可用性、およびデータの永続性を管理することから解放されます。次に、Microsoft Azure Web サイトでは、小規模な Web サイト向けに無料のホスティング オプションを利用できます。たとえば、このオプションを使用して個人の WordPress ブログをホストすることができます。

もう 1 つは、Microsoft Azure に移行できないデータを必要とするシナリオです。企業および政府によって、クラウドに配置できるデータのタイプが規制されることがあります。このような場合は、ハイブリッド ソリューションを検討できます。このソリューションでは、機密性は低いものの可用性が高いことが要求される特定のデータまたはアプリケーションの一部のみが Microsoft Azure でホストされます。

Microsoft Azure の長所を把握することで、これらの長所が活用されないアプリケーションまたはアプリケーションの部分を認識できます。すべての部分で Microsoft Azure の機能を最大限に利用するソリューションを開発することで、より大きな成果が得られます。

アーキテクチャとサービス オプションを評価する

Microsoft Azure への移行を評価する際に必要なのは、アプリケーションやビジネス目標がクラウドに適していることを把握することだけではありません。既存のアプリケーションや新しいアプリケーションについて、そのアーキテクチャと開発上の特徴を評価することも重要です。このような分析をすばやく開始する方法は、Microsoft Assessment Tool (MAP) for Microsoft Azure を使用することです。このツールでは、Microsoft Azure への移行時に起こりがちな問題の種類を特定するための質問が表示されます。各質問の横には [詳細に検討] リンクがあります。このリンクをクリックすると、Microsoft Azure で該当する領域について追加情報が表示されます。これらの質問と追加情報は、クラウド内の既存のアプリケーションや新しいアプリケーションの設計に対して変更が可能な箇所を特定するために役立ちます。

MAP ツールを使用するだけでなく、Microsoft Azure プラットフォームの基本を確実に理解しておくことも必要です。プラットフォームの一般的なデザイン パターンも理解しておく必要があります。Microsoft Azure に関する技術的なポスターの確認を検討することも必要です。これらのポスターには、プラットフォームの機能に関する豊富な情報や、詳細情報へのリンクが含まれます。Microsoft Azure で使用できるさまざまなサービスを確認し、それらをどのようにソリューションに導入できるかを検討します。Microsoft Azure サービスの概要については、「Azure とは」を参照してください。

Microsoft Azure ソリューションにかかわる可能性のある検討事項と対応策をすべて取り上げることは、このペーパーの対象外です。ただし次の表には、設計に関する一般的な 4 つの検討事項を補足リソースへのリンクと共に示します。

 

領域 説明

IaaS または PaaS

Infrastructure as a Service (IaaS) を使用すると、Microsoft Azure 内の仮想マシンに独自のイメージを配置できます。この方法では、アプリケーションのアーキテクチャに加える変更が少なくて済むので、ほとんどの場合、クラウドへの移行をより簡単に行うことができます。

Microsoft Azure Web サイトと Microsoft Azure クラウド サービスでは、Platform as a Service (PaaS) を提供します。PaaS 環境向けに設計するアプリケーションは、柔軟性、スケーラビリティ、および管理のしやすさの面で、IaaS における類似のソリューションより優れている場合がほとんどです。ただし、クラウド サービスへの移行を完了するまでの所要時間は一般に長くなります。Web サイトでは、PaaS が持つ利点と IaaS による移行の容易さを両立できます。

Web の観点からこれらのオプションを深く理解するには、「Azure Web サイト、クラウド サービス、および仮想マシンの比較」を参照してください。

ハイブリッド ソリューション

複雑なレガシ アプリケーションを Microsoft Azure に移行することは困難な場合があります。規制上の理由で、クラウド内に特定の種類のデータを格納できない場合もあります。セキュリティおよび法令順守に関する質問の回答の一部については、Azure トラスト センターを参照してください。

これらの課題に対応するための 1 つのソリューションは、Microsoft Azure によってホストされるサービスをオンプレミスのアプリケーションおよびデータに接続するハイブリッド アプリケーションを作成することです。この機能をサポートする複数の Microsoft Azure テクノロジがあります。たとえば、サービス バス仮想ネットワークなどです。詳細については、「Azure でクラウド内にハイブリッド アプリケーションを構築する」を参照してください。

状態管理

既存のアプリケーションを Microsoft Azure 仮想マシンに移動する場合、通常はオンプレミスで行ったのと同じ方法で状態データを処理できます。ただし、Microsoft Azure クラウド サービスの PaaS アーキテクチャを利用する場合は、状態の処理方法を評価する必要があります。多くのオンプレミス アプリケーションでは、状態をハード ドライブにローカルで格納します。他の機能 (既定の ASP.NET セッション状態など) では、ローカル マシンのメモリを状態管理に使用します。クラウド サービスのロールからその仮想マシンのローカル ドライブ スペースとメモリにアクセスできますが、Microsoft Azure では、すべての要求がすべてのロール インスタンス間で負荷分散されます。さらに、ロール インスタンスはいつでもダウンおよび移動できます (ロール インスタンスを実行しているマシンで更新が必要なときなど)。

実行されているロール インスタンスのこのような動的管理は、Microsoft Azure クラウド サービスのスケーラビリティと可用性の機能にとって重要です。そのため、クラウド内のアプリケーション コードの設計では、Microsoft Azure Storage や Azure SQL データベース などのサービスを使用して、データと状態がリモートで格納されるようにする必要があります。ストレージ オプションの詳細については、Microsoft Azure Web サイトの「データの格納とアクセス」セクション内のリソースを参照してください。

ストレージの要件

Azure SQL データベース は Microsoft Azure のリレーショナル データベース ソリューションです。SQL Server を現在使用している場合、Azure SQL データベース への移行は簡単です。また、仮想マシン上で SQL Server を実行することもできます。異なるデータベース システムを使用している場合は、仮想マシン上の Azure SQL データベース または SQL Server に移行するというオプションがあります。このプロセスには SQL Server Migration Assistant が役立ちます。Azure SQL データベース にデータを移行する方法の詳細については、「Azure SQL データベースへのデータ移行: ツールと手法」を参照してください。もう 1 つのオプションは、サード パーティのデータベースを Microsoft Azure に直接移行することです。そのための 1 つのテクニックとして、仮想マシンにデータベース システムをインストールします。ただし、Azure ストア には MySQL や MongoDB などのシステム向けにサード パーティ サービスもあります。

また、永続性、高可用性、スケーラビリティが必要なデータ ストレージには Microsoft Azure Storage を検討してください。お勧めするデザイン パターンの 1 つは、Azure SQL データベース の使用と Microsoft Azure のストレージ テーブル、キュー、BLOB との効果的な組み合わせです。一般的な例は、Azure SQL データベース を使用して Microsoft Azure Storage 内の BLOB にポインターを格納することです。データベース自体に大きなバイナリ オブジェクトを格納する代わりに、この方法を使用します。これは効率的でコスト効果の高い方法です。

相互運用性

Microsoft Azure SDK and Tools for Visual Studio により、.NET アプリケーションを作成または Microsoft Azure に移行するプロセスは非常にシンプルになります。

しかし、オープン ソースのソフトウェアまたはサード パーティ製の開発言語とツールを使用する場合はどうなるでしょう。Microsoft Azure Web サイトおよびクラウド サービスでは、Node.js、PHP、Python、および Java (クラウド サービスの場合のみ) で作成されたアプリケーションをサポートします。アプリケーションで他の言語が使用されている場合は、仮想マシンを検討してください。Microsoft Azure サービスを使用する場合、すべての操作は REST API に基づいて実行されます。この場合は直接コードを記述できます。ただし、Microsoft Azure では、Java、Node.js、PHP、Python、および Ruby 用の公式 SDK が提供されており、REST API の使いやすいラッパーが用意されています。コミュニティで作成された Microsoft Azure 対応の SDK もあります。

もちろん、使用するテクノロジに応じて対処する必要がある課題がいくつかあります。仮想マシンでは、必要なランタイムおよび依存関係をマシン イメージにインストールする必要があります。クラウド サービスでは、ロールに対するサード パーティ依存関係をインストールするためにカスタム スタートアップ アクションを追加することが必要な場合があります。Web サイトでは、アプリケーションが PaaS ホスティング環境で動作するように小さな変更を加えることが必要な場合があります。この領域の理解に役立つリソースは Ineroperability Bridges and Labs Center です。

重要な点は、さまざまな言語を使用して Microsoft Azure にアクセスできるということです。そのため、アプリケーションが Microsoft Azure に適した候補であるかどうかを判断する前に、選択した特定の言語に対応したオプションを検討する必要があります。

これらのリソース以外にも、Microsoft Azure へのアプリケーションの移行に関するコンテンツを確認することで、考えられる開発の課題や解決策について多くの情報を得られます。Microsoft の Patterns and Practices グループでは、移行に関する次のようなガイダンスを公開しています:Microsoft Azure プラットフォームでのクラウドへのアプリケーションの移行

概要

Microsoft Azure には、スケーラビリティと可用性に優れたサービスを作成および管理するためのプラットフォームが用意されています。2 つの PaaS サービス (クラウド サービスおよび Web サイト) と、仮想マシンを使用する IaaS サービスがあります。このようなサービスの他にも、さまざまなアプリケーション シナリオをサポートする多くのサポート サービスおよび機能があります。使用している必要なリソースに対してのみ課金され、いつでもスケールアップまたはスケールダウンできます。専用のハードウェアや支援用のインフラストラクチャを独自に用意する必要はありません。用意されたプラットフォームを活用することで、ビジネスの俊敏性向上、コスト削減、リスク軽減が可能になる場合、Microsoft Azure はアプリケーションに適しています。この判断の後、プラットフォームを使用するための特定のアーキテクチャと開発方法を選択できます。この検討には、新しい開発、移行、およびハイブリッド シナリオに関する意思決定が含まれます。こうした分析の結果、Microsoft Azure の機能を最大限に利用してビジネス目標を達成する方法について、意思決定を行うための情報を得ることができます。

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