方法 : C# コンソール アプリケーションを作成する

更新 : 2007 年 11 月

このトピックを読むと、Visual C# Express Edition 開発環境を理解して、最も単純な C# プログラムであるコンソール アプリケーションを構築できるようになります。コンソール アプリケーションでは、コマンド ラインですべての入出力が実行されます。そのため、言語の機能を簡単に試すときやコマンド ライン ユーティリティを記述するときに最適です。

0wc2kk78.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

ここで説明する開発環境の特徴は、Windows フォーム アプリケーションを開発するときにも当てはまります。そのため、コンソール アプリケーションを作成する予定がない場合でも、このセクションを読み飛ばさないでください。

ここでは、次の項目について説明します。

  • 新しいコンソール アプリケーションを作成するには

  • コード エディタでブックマークを使用するには

  • ソリューション エクスプローラを表示するには

  • コードの書式を維持するには

  • IntelliSense を使用してコードの入力速度と精度を向上させるには

  • アプリケーションをビルドして実行するには

このタスクで作成したプログラムでは、System.IO 名前空間のクラスを使用して、C:\ ディレクトリのファイル一覧とそのサイズを取得し、表示します。このコードを参考にして、ディレクトリ内で特定のファイル名を検索するユーティリティを作成することもできます。

ビデオへのリンク ビデオ デモについては、「Video How to: Create a C# Console Application」を参照してください。

C# コンソール アプリケーションを作成するには

  1. [ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。

    [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスには、Visual C# Express Edition で作成できる既定の各種アプリケーションが一覧表示されます。

  2. プロジェクトの種類で [コンソール アプリケーション] を選択し、アプリケーションの名前を「List Files」に変更します。

    既定の位置でもよいのですが、必要に応じて新しいパスを入力することもできます。

  3. [OK] をクリックします。

    Visual C# Express Edition によって、プロジェクトのタイトルに合わせてプロジェクトのフォルダが作成されます。また、メインの Visual C# Express Edition ウィンドウが表示されます。このウィンドウには、アプリケーションを構築する C# ソース コードの入力と編集を行うコード ペインがあります。

    ExpressCS スクリーンショット

    ウィンドウの上部にツール バーがあります。このツール バーには、プロジェクトの作成、読み込み、保存を行うアイコン、ソース コードを編集するアイコン、アプリケーションをビルドするアイコン、および Visual C# Express Edition 環境を構築する他のウィンドウの表示/非表示を切り替えるアイコンが表示されます。ツール バーの右端にある 5 つのアイコンは、ソリューション エクスプローラやツールボックスなど、重要なウィンドウを開くときに使用します。これらのアイコンの 1 つにマウス ポインタを移動すると、ツール ヒントが表示されます。

    0wc2kk78.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    ブックマークは、大規模なプログラムを作成するときに有効です。ソース コード内で簡単に別の位置へ移動できます。ブックマークを作成するには、[ブックマークの設定/解除] アイコンをクリックするか、Ctrl キーを押しながら B キーを押して、T キーを押します。マージンに水色のマーカーが表示されます。同様の手順で既存のブックマークを削除できます。作成できるブックマーク数に制限はありません。ブックマーク間を移動するには、[次のブックマーク] アイコンや [前のブックマーク] アイコンを使用するか、Ctrl キーを押しながら B キーを押して N キーを押すか、または Ctrl キーを押しながら B キーを押して P キーを押します。

  4. 画面の右側にある [ソリューション エクスプローラ] タブ、またはツール バーの [ソリューション エクスプローラ] アイコンをクリックして、ソリューション エクスプローラを表示します。

    ソリューション エクスプローラは、プロジェクトを構成する多様なファイルが表示される便利なペインです。このプロジェクトで最も重要なファイルは、アプリケーションのソース コードが記述された "Program.cs" です。

    ExpressThumbtack

    Visual C# Express Edition の表示を快適な状態に保つには、ソリューション エクスプローラなどのウィンドウの表示/非表示を切り替える方法を理解することが重要です。既定で、ソリューション エクスプローラは表示されています。ソリューション エクスプローラを非表示にするには、タイトル バーにある [自動的に隠す] アイコン (プッシュピンのアイコン) をクリックするか、ソリューション エクスプローラのタイトル バーで [オプション] メニューを開き、[自動的に隠す] を有効にします。クラス ビューやプロパティなどのウィンドウにも、同様のアイコンがあります。

  5. クラス名「Console」をコード エディタに入力します。

    それでも [コード] ペインがソリューション エクスプローラで隠れる場合、[コード] ペインをクリックして表示します。Main メソッド内にある左の中かっこ ({) の右をクリックし、Enter キーを押して新しい行を追加します。カーソル位置が自動的にインデントされます。

    0wc2kk78.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    コード エディタでは、標準的で読みやすいレイアウトでフォーマットされるように、コードの書式が常に維持されます。コードが見づらくなってきた場合は、[編集] メニューの [詳細] をクリックして [ドキュメントのフォーマット] をクリックするか、Ctrl キーを押しながら E キーを押して D キーを押すと、すべてのドキュメントの書式が再フォーマットされます。

    C# クラスの名前やキーワードを入力するには、2 つの方法があります。単語全体を自分で入力する方法と、[コード] ペインに含まれる IntelliSense ツールで自動入力する方法です。たとえば、「c」と入力すると、IntelliSense で予測された入力候補がポップアップ リストに表示されます。1 文字を入力しただけでは "Console" という単語が表示されません。リストをスクロール ダウンするか、「console」の入力を続けます。"Console" がリストで強調表示された状態で Enter キーまたは Tab キーを押すか、ダブルクリックすると、Console がコードに追加されます。

    ExpressCase スクリーンショット

    IntelliSense を使用するメリットは、大文字と小文字の区別とスペルを正しく入力できる点です。コードを自分で入力するか、IntelliSense で自動入力するかは、自由に選択できます。

  6. ピリオドの次にメソッド名「WriteLine」を入力します。

    Console の後にピリオドを入力すると、別の IntelliSense リストが表示されます。このリストには、Console クラスに含まれる可能性があるメソッドとプロパティのすべてが表示されます。WriteLine メソッドは、リストの一番下にあります。「WriteLine」の入力を完了するか、表示されるまで↓キーを押して、Enter キー、Tab キー、またはダブルクリックのいずれかを操作します。WriteLine がコードに追加されます。

    ExpressConsole

    左かっこを入力します。他の IntelliSense 機能であるメソッドのシグネチャが、ツール ヒント メッセージに表示されます。この例では、19 種類のシグネチャが表示されます。↑キーと↓キーをクリックしてリストを確認できます。

  7. 文字列 "This program lists all the files in the directory" を入力します。

    引用符内にメッセージを入力し、閉じかっこを追加します。何かが欠落していることを示す赤色の波線が表示されます。セミコロン (;) を入力すると、この波線は表示されなくなります。

  8. プログラムを完成させます。

    次のコードを入力するか、コピーして貼り付けて、プログラムを完成させます。

    static void Main(string[] args)
    {
        Console.WriteLine("This program lists all the files in the directory:");
    
        System.IO.DirectoryInfo dir = new System.IO.DirectoryInfo(@"C:\");
    
        foreach (System.IO.FileInfo file in dir.GetFiles("*.*"))
        {
            Console.WriteLine("{0}, {1}", file.Name, file.Length);
        }
        Console.ReadLine();
    }
    

    プログラムの最終行にある Console.ReadLine(); は、Enter キーが押されるまでプログラムを一時停止するコードです。この行を省略すると、コマンド ライン ウィンドウはすぐに閉じられ、プログラムの出力結果を確認できなくなります。常にコマンド ライン コンソールから使用されるコマンド ライン ユーティリティを作成する場合、ReadLine() メソッドの呼び出しを省略することも考えられます。

  9. プログラムを実行します。

    ここまでの操作で、初めてのプログラムが完成し、コンパイルと実行の準備が整いました。コンパイルして実行するには、F5 キーを押すか、ツール バーの [開始] アイコンをクリックします。

    VJS Express リスト ファイルの開始

  10. プログラムをコンパイルして実行すると、[コンソール] ウィンドウが開き、ファイルとそのサイズの一覧が表示されます。Enter キーを押すと、プログラムが終了します。

    C# プログラムの初心者の方は、この時点で「C# 言語の概要」を参照し、いくつかのサンプル コードを試すことをお勧めします。Visual C# Express Edition 開発環境の詳細と、Windows アプリケーションの作成方法の詳細については、次の「方法 : C# Windows フォーム アプリケーションを作成する」を参照してください。

参照

処理手順

方法 : C# コンソール アプリケーションを作成する

方法 : C# WPF アプリケーションを作成する

方法 : 新規に Visual C# Express アプリケーションを作成する

概念

C# 言語の概要

その他の技術情報

初めての Visual C# アプリケーションの作成

Visual C# Express の使用上のヒント