Excel Services でサポートされない機能
Microsoft Office Excel 2007 は機能が豊富です。Excel Services の最初のバージョンですべての Excel 2007 機能をサポートすることはできません。サポートする機能の決定では、主要な Excel Services シナリオで必要となる機能と、Excel Services を信頼性、スケーラビリティ、およびセキュリティの点で確実に顧客の要望を満たすサーバー級のサービスにすることに優先度が与えられています。
Excel Services の将来のバージョンでは、さらに多くの Excel 2007 の機能をサポートする予定です。
サポートされていない機能の分類
説明しやすいように、サポートされていない機能を 4 つの異なるカテゴリにグループ化します。4 つのカテゴリは次のとおりです。
Excel ファイルの読み込みを妨げる機能
場合によっては、Excel Services が Excel 2007 機能をサポートしないとき、Excel Services はファイルを読み込みません。たとえば、Excel Services は Microsoft Visual Basic for Applications (VBA) の実行をサポートしないため、VBA を含むファイルを読み込みません。
表示されない機能
場合によっては、Excel Services は、Excel 2007 との完全な再現性を備えたブック内のオブジェクトを表示しません。たとえば、Excel 2007 のグラフには新しい視覚効果がありますが、これらの効果は Excel Web Access を使用して表示したときに表示されません。
インタラクティブ サポートが制限される機能
Excel 2007 を使用して操作できる機能のすべてが、Excel Services で完全にサポートされるわけではありません。たとえば、ユーザーは、ブラウザでブックを操作する場合、ピボットテーブル レポートのフィールドを追加したり並べ替えたりすることはできません。
ブックの作成
Excel Services を使用して Excel ブックを作成することはできません。たとえば、Excel Web Access でブックを開いた後、グラフを挿入したり、数式を変更したりすることはできません。
Excel ファイルの読み込みを妨げる機能
以下の機能を 1 つ以上含む Excel ブックは、Excel Services で読み込まれません。
コード。これには、VBA マクロ、フォーム コントロール、ツールボックス コントロール、Microsoft Excel 5.0 ダイアログ シート、および XLM マクロ シートを含むワークブックが含まれます。
注意
Excel Services は、マネージ コードで記述されたユーザー定義関数をサポートします。XLL ファイルなどのネイティブ コード アドインは直接サポートされません。ただし、"ラッパー" を使用してネイティブ コード関数を呼び出すことができます。
Information Rights Management (IRM) による保護。
ActiveX コントロール。
埋め込まれたスマート タグ。
複数の統合範囲を含むピボットテーブル レポート。
外部参照 (他のブックへのリンクを含むブック)。
数式ビューで保存されたブック。
XML 拡張パック。
XML マップ。
データの入力規則。
クエリ テーブル、SharePoint リスト、Web クエリ、およびテキスト クエリ。
アドインを参照するブック。
RTD() 関数を使用するブック。
ブックおよびワークシートの保護を使用するブック。
埋め込まれた画像またはクリップ アート。
セルおよびシートの背景の画像。
オートシェイプおよびワードアート。
インク注釈。
組織図および図表。
DDE リンク。
ヒント
上記の機能がブックに含まれているかどうかを確認するための簡単な方法の 1 つは、ブックをドキュメント ライブラリに発行することです。ブックをドキュメント ライブラリに発行する際、発行されたブックをブラウザで表示するオプションがあります。Excel 2007 ブック内の機能が Excel Services によってサポートされない場合は、エラー メッセージが表示されます。
注意
以降のセクションに記載されているサポートされていない機能は、Excel Services がブックを読み込むのを妨げません。代わりに、Excel 2007 と比較して、Excel Web Access で特定の機能が表示される方法を制限します。
表示されない機能
以下の機能を 1 つ以上の含むブックは、Excel Services で読み込まれますが、機能は表示されません。機能はファイルから削除されないため、次にファイルを Excel 2007 で開いたとき、機能は再び表示されます。
ウィンドウの分割および固定
ヘッダーとフッター
ページ レイアウト ビュー
セルのパターン
ズーム
ヒント内の Microsoft SQL Server Analysis Services のメンバ プロパティ
HTML でサポートされていない斜め罫線や境界線の種類など、一部のセル書式
Excel Services は、Excel 2007 を使用して作成されたすべてのグラフを表示します。ただし、グラフの設計方法によっては、Excel Web Access を使用してグラフが表示されたときに、わずかな視覚的な違いが発生します。たとえば、Excel Web Access は、影、面取り、反射などの新しいグラフ効果を表示できません。
インタラクティブ サポートが制限される機能
Excel 2007 でインタラクティブな特定の機能は、Excel Web Access では完全にインタラクティブではありません。
PivotChart reports
ピボットグラフ レポートは、ブラウザに表示されたときはインタラクティブではありません。ピボットグラフ レポートに直接フィルタを適用することはできませんが、ピボットグラフ レポートのデータを提供するピボットテーブル レポートを操作すると、ピボットグラフ レポートはそれに従って更新されます。つまり、ピボットテーブル レポートにフィルタを適用すると、ピボットグラフ レポートはフィルタされたデータ セットを表示するように更新されます。
PivotTable reports
ブラウザでピボットテーブル レポート内のデータの並べ替え、フィルタ、展開、および折りたたみを行うことはできますが、SQL Server Analysis Services 操作を使用したり、フィールドを追加または削除したり、フィールドを並べ替えたりすることはできません。
Go To
ブラウザで、名前付きの範囲オブジェクト ビューまたは用意されているナビゲーション コントロールを使用して、ブック内を移動できます。ただし、Go To 機能はありません。
Zoom, minimize, and maximize
ユーザーは、ブラウザで表示しているときに、ワークシートのズーム、最小化、または最大化を行うことはできません。
Switching to page layout view
ページ レイアウト ビューは Excel 2007 の新しいビューです。Excel Web Access を使用してブックを表示しているときに、このビューに切り替えることはできません。印刷レイアウト モードは、印刷を容易にするように設計されています。ブックを印刷する場合は、Excel 2007 を使用するのが最適です。
Goal Seek and Scenario Manager
Excel Web Access を使用してブックを表示しているときに、Goal Seek または Scenario Manager を使用することはできません。
Formulas
参照元のトレース、参照先のトレース、数式の表示などを使用して数式を監査することはできません。
Changing a workbook's calculation mode
Excel Web Access を使用してブック計算モードを変更することはできません。
Watch window
Excel Web Access を使用するときにウォッチ ウィンドウを使用することはできません。
ブックの作成
Excel Services を使用してブックを作成することはできません。"作成" 操作の例には、次のものがあります。
新しいワークシートを挿入する。
グラフを挿入する。
テーブルを作成する。
ピボットテーブル レポートを挿入する。
ピボットグラフ レポートを挿入する。
数式を編集する。
データを任意のセルへ入力する。
名前付き範囲を定義する。
セル書式を変更する。
条件付き書式ルールを変更する。
グループ化およびグループ解除を行う。
注意
Excel 2007 で定義されている場合は、グループを操作できます。
アウトラインを作成する。
注意
Excel 2007 で定義されている場合は、アウトラインを操作できます。
統合範囲を定義する。
テキストを列へ変換する。
See Also
タスク
[ウォークスルー] Excel Web Services を使用してカスタム アプリケーションを開発する